さっぽろ雪まつりの雪像は誰が作っている?制作期間や雪の量、解体についてなど
大量の雪を使ったであろう大きな雪像で、観光客の目を楽しませてくれる、さっぽろ雪まつり。
しかし、これって一体誰が、いつ、どうやって作っているのかはあまり知られていません。
今回は、さっぽろ雪まつりの雪像が誰によって、いつから、どれくらいの雪を使って、どうやって作られているのか、制作時間から解体まで、その概要をご紹介します。
さっぽろ雪まつりの雪像は誰が作っているの?
さっぽろ雪まつりの雪像を作るのは、いろいろな団体です。主立ったところを挙げると、
- 陸上自衛隊(第11旅団を基幹とする北部方面隊)
- 札幌市職員
- 市民ボランティア
- 市民グループ
- 民間団体
- 国際雪像コンクールに参加する外国人グループ
……などなど。
このうち、プロジェクションマッピング等が行われる大雪像に関しては、毎年、陸上自衛隊の「さっぽろ雪まつり協力団」と、さっぽろ雪まつり大雪像制作委員会が制作しています。
中雪像は、市民グループが制作します。
- 西6丁目:札幌平岸高等学校
- 西9丁目:鉄西まちづくり推進委員会101人の会
の2グループが、現在は担当しています。
小雪像に関しては、制作希望チームが毎年実行委員会に申し込みを行い、公開抽選会が行われます。当選したグループだけが小雪像を制作できますが、倍率は例年およそ5~6倍の狭き門です。
これらの雪像の他に、大通会場では大氷像も制作されます。
これは、日本氷彫刻会北海道連合会に所属する調理師さんたちによるボランティアが制作にあたっています。
一方、すすきの会場の「すすきのアイスワールド」では、司厨士協会、北海道氷彫刻会に所属している調理師さんたち、総勢約200名が制作にあたっています。
さっぽろ雪まつりの雪像制作期間はどれくらい?
大雪像は5カ月!?
一番制作期間が長いのが、陸上自衛隊などが制作している大雪像です。
7月ころにはテーマの検討が始まります。9月ころから資料収集や設計、モデル制作や資材準備といった準備作業が始まり、大通公園で木枠が組まれるのが1月上旬。
1月下旬には、木枠の中に雪を入れて固める作業が行われます。
1月下旬になると、木枠を外して荒削りし、彫刻や化粧雪で整えて、2月上旬の本番を迎えます。
準備期間をあわせると、5カ月。
制作期間だけでも1カ月がかかっている計算です。
大雪像以外はお正月明けから、すすきのは3日間!?
大雪像以外の雪像に関しては、1月7日頃から雪山を作り、削る等の制作作業が行われます。
一方、すすきの会場の氷像は、制作期間わずか3日。
氷像に関しては連日の徹夜作業となりますが、作業そのものは、-10度以下の過酷な環境下のほうがはかどると言います。
気温上昇時には、ドライアイスで氷を冷やしながら彫刻を行う大変な作業です。
さっぽろ雪まつりの雪像を造像する際に使用される雪の量はどれくらい?
さっぽろ雪まつりの雪氷像は、大きさによって大きく3ランクに分けることができます。
その3ランクとは以下のとおりです。
- 大雪氷像:高さ15メートル
- 中雪氷像:高さ10メートル
- 小雪氷像:高さ2メートル
この分類に従って、使用するおおよその雪の量をご紹介しますと、
- 大雪像:5トントラックで約500台(2,500トン)
- 中雪像:5トントラックで約300台(1,500トン)
- 小雪像:5トントラックで約2台(10トン)
ちなみに雪まつり全体としては5トンのトラック約5500台相当の雪が会場へ運びこまれています。(2018年度)
……軽く見ただけでも、ものすごい量であることがわかりますね!
それでは、さっぽろ雪まつりでは、どれくらいの数の雪像が制作されているのでしょうか?
第67回の大通会場の場合、
- 大雪像:5基
- 中雪像:9基
- 小雪像:110基+国際雪像12基
が予定されており、最終的に必要になる雪量は5トントラックで約6,500台(32,500トン!)と言われています。
大量の雪をどこから運んでいるの?
雪の輸送に関しては、陸上自衛隊と実行委員会によって、1月上旬に「雪輸送開始式」が行われ、約2週間をかけてトラック輸送します。
主に、雪は以下のような場所から採っています。
- 石狩湾新港工業団地(札幌から15キロ)
- 里塚霊園(札幌から20キロ)
- 滝野霊園(札幌から20キロ)
それでも雪が足りないと、
- 中山峠(札幌から50キロ)
- オコタンペ湖周辺(札幌から40キロ)
- 岩見沢方面(札幌から40キロ)
のあたりまで赴くこともあるそうです。
最終的に、雪の輸送のためのトラック走行距離は、平均的な降雪量の場合でも総走行距離は19万キロメートル(1995年・平成7年、第46回の記録)。
降雪量が少ないと、37万5,500キロメートル(1997年・平成9年、第48回の記録)にも及ぶこともあります。
除雪された雪は使わないの?どうして?
札幌市内でも、各所で道路の雪を除雪するわけですから、その雪を使ったらいいではないか……と考えてしまうものですが、さっぽろ雪まつりでは除雪によって生じた雪は決して使わないように決められています。
これは、自衛隊の実験結果によるもの。
陸上自衛隊第11師団第11特科連隊によって編集された、『雪の力学的一考察』には、雪柱を使って雪の内部融解を実験した結果が掲載されています。
実験結果によれば、不純物のない雪柱は、太陽光による融解がほとんど進行しませんが、不純物を含んだ雪柱は太陽光の照射によって全体的に空洞化、形骸化するため、倒壊してしまいました。
札幌では、道路に融雪剤が撒かれることも多く、除雪した雪には不純物が必ず混じっています。つまり除雪した雪で雪像を制作しても、倒壊の危険性からは逃れられないということです。
さっぽろ雪まつりでは、安全性確保のため除雪した雪は一切使わずに、郊外の不純物のない、きれいな雪で、雪像制作を行っています。
すすきの会場「すすきのアイスワールド」で使われている氷の量はどれくらい?
大通会場の雪像についてはわかりましたが、それでは、すすきの会場の「すすきのアイスワールド」で使われる氷の量はどれくらいなのでしょうか。
氷像は、氷の柱を1本1本組み合わせて作られています。
氷像に使う氷の重さは、120キロ/1本。
すすきのアイスワールドには、約60基の氷像が制作されます。
ここで使われる氷柱は1,500本以上。すべて合計すると、18トン以上の重さになります。
水割りに換算すると……グラス120万杯分ということですので、大体岩手県民や広島市民が1人1杯ずつグラスで飲み物が飲めるくらいです。
さっぽろ雪まつりの雪像は終了後やはり破壊(解体)されるの?
さっぽろ雪まつりの雪像は、会期終了後に全て破壊・解体されてしまいます。
倒壊の危険性の少ない、不純物のない雪を使用しているとはいえ、雪像制作から時間が経過してしまえば倒壊の危険性は高まります。
そこで会期終了後、次の日には、全てがブルドーザー等の重機を使って取り壊され、雪山と化すというわけなのです。
ちなみに、さっぽろ雪まつり会期終了後、大通公園に関しては立ち入り禁止となり、翌日の解体作業は大通公園の外からしか見ることはできません。
大通会場の東端に立つさっぽろテレビ塔は、さっぽろ雪まつり会期終了の翌日に営業しており、展望台から解体作業を見ることも可能です!
さっぽろ雪まつりも貴重な体験ですが、雪まつりの雪像解体も貴重なシーンであるには違いないので、タイミングよく札幌に滞在できるようでしたら、ぜひ一度見てみるといいですね。
大通公園は春先には市民の憩いの場に戻るため、雪まつりで使われた雪は崩したままにはせず、すべて除雪されます。
雪まつり終了後はソリ山が開放される!
西7丁目のインフォメーションセンター&オフィシャルショップ前には一部の雪が残され、毎年ソリ山が作られています。
このソリ山は、2月末頃に開放され、大人気のそりすべりスポットとなっていますので、もしもその時期に札幌に滞在するようでしたらすべりに行くのもおすすめです。
ソリ山開放中は、ソリの無料貸出もあります。
期間は例年、2月末~3月10日前後まで。利用時間は例年、10:00~16:00です。
終わりに・・
さっぽろ雪まつりに関してのお問い合わせ先
さっぽろ雪まつり実行委員会
住所:〒060-0001札幌市中央区北1条西2丁目 北海道経済センター4階 札幌観光協会内
電話番号:011-281-6400
コールセンター
電話番号:011-222-4894
土日祝日を含め年中無休。電話受付時間:午前8時~午後9時まで
FAX: 011-221-4894
大通り会場の見どころや楽しみ方は以下の別ページにてご紹介しています。
【必っ!】北海道さっぽろ雪まつり2018年の「隠れた見どころと楽しみ方」
つどーむ会場の見どころや楽しみ方は以下の別ページにてご紹介しています。
【必っ!】さっぽろ雪まつり「つどーむ会場」の「見どころと楽しみ方」
すすきの会場の見どころや楽しみ方は以下の別ページにてご紹介しています。
【必っ!】さっぽろ雪まつり・すすきの会場「すすきのアイスワールド2018」の「隠れた見どころ・楽しみ方」
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